利回りとは?
投資用物件を選ぶ時にもっとも重要なのが利回りです。
不動産における利回りは以下のものがあります。
- 表面利回り(グロス表面利回り、満室想定利回り)
- 実質利回り(ネット利回り)
表現する内容が異なっているものがありますが、実際には表面利回りと実質利回りの2種類しかありません。
ほかにも税引き前利回りなど不動産屋独自の呼称を用意していることがありますが、ほとんどのケースで表面利回りが実質利回りのどちらかに分類されています。
表面利回りと実質利回りの違い
一言でまとめると、不動産を維持するための経費を含めているかです。
たとえば取得価格1,000万円の物件で年間賃料100万円だった場合、表面利回りは10%です。利回りは合計で100%になれば取得価格を回収できる計算式です。この事例だと10年運用すれば取得価格と同じ1,000万円の家賃収入を受け取れます。
しかし、実際には10年間空室が一切なく運用できたとしても回収はできません。なぜなら管理費や修繕積立金などの運営コストがかかるからです。
こうした事前に発生することが明確な経費を含めたのが実質利回りです。
取得価格1,000万円、年間賃料100万円の物件に運営コストが年間30万円だった場合は家賃収入を賃料100万円-経費30万円の70万円で計算します。この場合は取得価格1,000万円に対して家賃収入70万円ので、「70万円÷1,000万円」で実質利回り7.0%です。
つまり、数値上では「表面利回り>実質利回り」の関係になりますが、重要度では「実質利回り>表面利回り」となり、後者の方がより実質的な利益の指標であることが分かります。
実質利回りに含まれる経費と実質利回りの必要性
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
- 火災保険
上記が一般的な実質利回りに含まれるコストです。
管理費と修繕積立金は明確になっていますが、火災保険は利用する保険会社や補償プランによって変わりますし、固定資産税は毎年変動します。
不動産屋によって実質利回りに算入する経費の項目や計算式が変わってきてしまいます。
場合によっては同じ物件なのにA社は6.0%、B社は7.0%と大幅に数字が変わってしまうこともあります。
表面利回りは、全ての物件や不動産会社で共通する指標として不動産投資では欠かせない情報になっています。
利回りはリスクに比例する
利回りは高いほど回収が早くてパフォーマンスが高いです。しかし利回りの良い物件ほどリスクが高いです。
利回りには空室リスクが考慮していません。ほかにも設備の老朽化などを理由に物件価格を値下げしている場合があります。
同じ物件でも、1,000万円の現状販売で想定賃料8万円の物件(表面利回り9.6%)と、リノベーションして1,400万円で想定賃料10万円(表面利回り8.5%)の物件になる2つのパターンを用意されていたとします。
リノベーション物件にすれば利回りは下がりますが、設備故障リスクが少なくて、見栄えが良いので最初の借り手をみつかりやすいメリットが分かります。
このほかにも利回りは地域性が顕著に現れています。東京では実質利回り4~6%が相場で、郊外では平均10%超えの地域があります。
郊外の物件は空室や設備故障なく運営すればすぐに元を取れますが、人口密度の高い都心の物件に比べて空室リスクが高いです。
また、10年後、20年後を考えた時に好立地物件は価値が下がりにくいのに対して郊外の物件は不動産価値が大幅に下がってしまうリスクが高いです。
手堅い投資をしたい場合は利回り低めの物件を選ぶべきです。高利回り物件はハイリスク・ハイリターンの投資法になります。
地方物件と都市物件の違いはコチラのページでさらに詳しく解説しています。 ▶地方物件と都市物件の違い